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著者:谷 信弥
2018年12月28日
整体師になる前にしていたこと
整体師になる前は不動産関係の仕事をしながら、不動産に関連する宅地建物取引主任者や不動産鑑定士等の資格取得をめざして勉強をしていました。
その頃の生活は、勉強中心で専門学校に通いつつ、仕事がある日は、往復の通勤時間2時間、昼休みの30分、帰宅後に2時間、また休日は8時間程度勉強にあてていました。宅地建物取引主任者はすぐに合格することができ、目標であった不動産鑑定士の試験勉強を続けていました。
今にして思えば不動産鑑定士の試験は1年に1度しかなく『早く合格して両親に心配をかけないような生活を送りたい』という焦りの気持ちもあり、極端に自分を追い詰めていたのかもしれません。
合格するには短答式試験、論文式試験を突破することが必要です。短答式試験は1度合格すると2年間は免除されます。そして短答式試験は無事合格し、後は論文式試験のみでした。ですがこの論文式試験は合格率が約10%しかなく、とても難しい試験なのです。
この頃の私を支えていたのは『絶対に合格してやる』という気持ちだけでした。
突然、身体に異変が起きはじめました…
するとある日、食事をしていると急な吐き気に襲われました。でも、少し休んでいると治まったので、その時は『ちょっとお腹の調子が悪いんだろうな』という感じにしか思いませんでした。
ところが、その吐き気が毎日のように起こるようになりました。
これは変だと思ったのですが、資格試験も近いということもあり、食事を抑え気味に、がむしゃらに勉強を続けていました。
しかし、とうとう身体が悲鳴をあげるようになってしまいました。
その時の状況は、夜、専門学校の勉強が終わり家に帰宅するため電車に乗ろうとしていた時でした。突然、急激なめまい、吐き気そして心臓のドキドキ感などが自覚症状として出てきたのです。
そのまま立っていることが出来ず、すぐ近くにあったベンチに倒れそうになりながら腰かけました。カラダ全体がこのままどうにかなってしまうんじゃないかという不安感から冷や汗でいっぱいになりました。持っていた水を飲みながら、自分に『大丈夫、大丈夫』と言い聞かせ1人で必死に耐えました。
ベンチで10分程辛抱し、少し落ち着いたところで、『とりあえず帰らないと』という思いで、電車に乗りました。
すると、また心臓がドキドキし、同時に息苦しくなり2駅乗った所で降りてしまいました。
もうこれは電車で帰るのはだめだと思ったので、タクシーの所まで死に物狂いで行き、家に帰りました。
そこからの生活は、地獄と言ってもいいような日々が続きました。
私の場合は、自覚症状や専門書などを読むに、自分自身は自律神経の不調なんだということはおよそ推測できました。早めに気づけたということはとてもよかったと思っています。
なぜなら、自律神経の不調は早く対処すればするほど早く治すことができるからです。
風邪と同じで放っておくと症状を長引かせてしまいます。
ところが、好きな事をしたい、仕事や資格の勉強をしなければという気持ちだけが空回りし、焦りだけを生んでいました。その頃は身体がしんどく外に出ることもできない状態でした。
症状はと言えば、何とも言えない不安感・呼吸が苦しい・心臓のドキドキ感・手足の冷え・食事がのどを通らない・めまい・頭が重い感じ・頭痛・吐き気・肩こりなどこれ以外にも、たくさんの自覚症状が出ていました。
半年ぐらいは病院やカウンセリングにいきました。
その間も外出したりしなかったりの繰り返しでこの症状と闘い続けていました。症状は辛くなったり、少し楽になったりの繰り返しで、一進一退どころか、一進三退ぐらいの感じでした。
カウンセリングや薬などである程度はよくなったものの、息苦しい、心臓のドキドキ感などの症状がつらく自動販売機にジュースを買いに行くのが精いっぱいでした。
自分の気持ち、症状が理解されないのがこんなにツライとは…。
そんな時に、他に良い改善方法はないかとインターネットで調べていると整体も効果があると書いてあったので、家の近くや、評判の整体院に通いました。
しかし、ある程度は良くなりましたが、自律神経の不調についてあまり認識が無さそうで、私の『これほどつらいんだ』という気持ちを解ってもらえず、辛い思いをしていました。
1つの整体院では、問診でベッドに座り『どのような症状ですか』と質問され答えると『あ~そんな感じなんですね』という軽い一言で、あまり自律神経の不調のしんどさ、症状を解っている感じではありませんでした。
また、もう1つの整体院では、施術が終わり『これからどうしていけば良いですか』と質問すると『谷さんはあまり筋肉が張ってないので、心配しなくて大丈夫ですよ』と軽く答えました。私は『身体が辛いから来てるのになぜそんな簡単に大丈夫と言えるのか』という怒りがこみ上げました。
また、私のような自律神経の不調で苦しんでいる人達を救う、専門の治療院の少なさに落胆しました。
私にできることはないか?という使命に似た気持ちが湧いてきました。
そんな状況をみて、自分自身で整体を学び、症状不調でつらい思いをしている人達を少しでも楽にできないかといった気持ちが湧いてきました。
そして、この整体の技術があればもっとたくさんの人達に貢献できるんじゃないか?と思い、整体スクールやセミナーに通うことにしました。
あるセミナーでは、自律神経の不調の本当の原因は『足裏と首のバランスの崩れ』にあることを教えていただき、今まで100%心の問題だと思っていたのですが、必ずしもそうではないんだということが解り、さらに気持ちが軽くなったのを今でも覚えています。
私が自律神経の不調になってから5年程が経ちましたが、今では、釣りや、車の運転など好きなことが普通にでき、不自由なく生活を楽しめるようになりました。
逆に、自律神経の不調に悩まされたことで、学んだこともたくさんあります。
それは、全ての人や物への感謝の気持ち、普通に生活できることへの感謝の気持ちです。
症状が辛くて家族や彼女にあたったりした時もあるのですが、何も言わず私を支えてくれました。そして友達も電話をくれたり、励ましてくれました。今では、家族、友達への感謝の気持ち、普通に生活できることへの感謝の気持ちで一杯です。
これだけ私はたくさんの人達に支えられて生きているんだと感じ、感謝するという気持ちと共に、恩返ししたいという気持ちもたくさん出てきました。
自律神経の不調はたくさんの苦しみもある反面、それを克服した時には何百倍もの喜びが得られると思います。
いいま、当時のことを思い出すと、健康についてはあまり考えず、自分のカラダに注意をはらっていなかったことにも原因があると思います。そして「健康でなければ何もできなくなるんだ」ということも学び、身体のケアの大切さも身に染みて感じました。
私が目指すもの
私は、これから一人でも多くの心身の不調で悩んでいる人達を救い、私のような経験をしないように、この整体技術を伝えていきたいと思っています。
そして、自分自身の経験から学んだことも伝えていき、少しでも役にたてるようアドバイスなどをしていきたいと思っています。
私は、「一人が幸せになれば、その周りの人達も幸せになれる」考えています。
これからもっともっと幸せの連鎖を生み、少しでも世の中の役に立てるよう努力していきたいと思っています。